オッスオラもなちゃん。
令和6年度から司法書士試験の記述式の配点が倍増し、その煽りを受けた第一世代となった私は絶望しました。
2024年の12月にその発表があり、10月頃から独学を始めていた私は驚愕。
巷では「記述は独学不可能」「これで独学は無理になった」とかいう言葉が溢れかえり、私も得点計画が崩れて恐怖していました。
しかし、結果的には無事合格でき、記述は83位、総合60位の成績も残せました。
独学で、答練は一切利用せず、市販の問題集(+模試)のみで、です。
今日はそんな記述式で私が利用したおすすめの参考書・問題集について紹介します。
雛形集についてはこちらを参照してください。

解法本
解法本とは、問題冊子の余白や試験で配られる答案構成用紙(A4 1枚)に、散らかった情報を整理してまとめて、記述の申請答案を埋める方法を解説した本です。
市販では、令和6年度までは伊藤塾の答案構成力?と、松本先生のリアリスティック記述式のものがあり、令和7年度からはオートマシステムの解法本も出版されました。
オートマも見ましたが、おすすめは私も使用した『リアリ』解法本です。シンプルな図形で素早くまとめられる点、後述の問題集との連携がしやすい点が利点として挙げられます。
【第2版】リアリスティック不動産登記法 記述式
【第2版】リアリスティック商業登記法 記述式
答案構成力?は改訂がなかったことや、書く量が多いことがあって使わなかった。オートマのものも視覚的に捉えにくそうだと感じました。
基礎的な問題集
第一選択肢は、こちらもリアリスティック記述式の基本編になります。問題が簡単で、解説はこれでもかと丁寧で詳細です。
雛形集を通読したのち、まずはこれを通読して記述がどんな感じかを掴みましょう。問題は解かなくていいです。
2周目は解いてみて、掲載されている答案構成の図を作ってみましょう。
3周目以降はできれば申請例答案まで書く。ただし、記載は省略したりして(例:登記原因証明情報→TSJと略す)時短をはかること。
リアリスティック記述式問題集 基本編
余裕があれば、田端60と呼ばれる同じく辰己の先生の問題集もやると良いです。比較的、過去問の論点からの出題が多く、過去問に進む前にやると効果的です。
問題レベルはリアリ基本編より若干上で、解説は少し簡潔。リアリとの問題は意外とかぶってなかったです。
田端のパーフェクトユニット記述式必修問題集60 第3版
令和7年度以降は、LECの合格ゾーンシリーズにも記述ステップアップ問題集が追加されています。
過去問ベースという意味では田畑60と同様の使い方ができ、セカンドステップ編では本番レベルの量の問題演習までできるため、こちらを使っても良いと思います。
合格ゾーン 記述式 ステップアップ問題集 不動産登記法
合格ゾーン 記述式 ステップアップ問題集 商業登記法
いずれにせよ、基本的な問題集だけでリアリ・田畑・合格ゾーンの3種類が市販されています。独学でも十分に合格できる環境になっています。(むしろ、記述は自分で問題をどれだけ解くか。予備校で座学で何を教わるの?)
オートマ論点データベースという、過去問の論点を分解して網羅した雛形集と問題集の中間のような本も令和7年度以降は選択肢になりました。
これはかなりいい本ですが、私は、少し中途半端な気もします。雛形は雛形、問題集は問題集で別に取り組んでもいいと思います。
2025年度版オートマ過去問記述式論点データベース不動産登記法
2025年度版オートマ過去問記述式論点データベース商業登記法
※Amazonリンクでないのは、TAC出版のストアから買えば10%オフになるため。
応用的な問題集
オートマ記述はネットでは良本とされていて、某L⚪︎Cの講師も受講生に買うことを勧めていたと噂されるほど。多くの人が取り組んでいると思います。
しかし、私はやりませんでした。
理由は……難しすぎたからです。
本番の過去問とはかなり形式や問われる論点の深さがずれていると思います。もっと簡単なことを高速に処理できるかの方が大切!
というわけで飛ばしましたが、もし落ちていたら2年目でやろうと予定していました。
実際にはやらなくても記述83位と上位合格できたので、今の試験では不要だと思います。
次に、リアリの記述問題集・応用編。
これは過去問レベルの分量の問題が不動産と商業それぞれ10問ずつ載っています。
私の受験年度の直前期5月に出版されて、本番に向けた演習として2周くらいやりました。
結論としては、無理にやらなくて良いと思います。
理由は……難しすぎたからです。
例えば商業登記では、一つの問題で2回も組織再編が起きたり、絶対に出ないような問題が入っています。
これをやる時間を過去問演習に回していたら、もっと高順位を目指せていたと思います。
過去問
合格ゾーンの記述過去問集とTACのパーフェクト過去問集の記述編、伊藤塾のセレクト記述過去問集があります。
おすすめはパーフェクト過去問集です。収録年度が一番多いからです。
不動産登記法
商業登記法
ただし、解説はかなり読みにくく、解説がそもそも掲載されていない年度のものもあります。
私はそれでもいいと思います。
パーフェクト過去問の解説を読まないと解答例がなぜそうなっているのか理解できないレベルでは、過去問演習はまだ早いです。基礎問題集にもどってください。
しっかりと学力がつけば、解説不要で申請例を理解できます。
予想問題集・模試
LECとTACから市販の予想問題集が出ています。それを今年向けのものと前年向けのものを入手すれば、本番演習が自宅で4回分できるのでおすすめです。
短期合格を目指すなら模試は受けすぎないようにしましょう。その分勉強してください。
私は伊藤塾の格安の模試2回を、5月と6月に受けましたが、それで十分でした。
過去問と予想問題集・模試は、基本的には膨大な分量を時間内に処理するための演習として使いましょう。知識のインプットはそれまでに終わらせておきたい。
不動産登記45分、商業登記55分以内で、過去問レベルの問題が解けるよう状態を目指しましょう。
番外編 もし落ちたらどうするか?
1年目の超短期合格を目指すためには、基本的な問題集と過去問で十分ですが、もし落ちてしまうと、
初見の問題の獲得が心配ですね。
何度も解いていると問題を覚えてしまい、演習にならないからです。
でも、今の時代、市販問題集がたくさんあるため、高いお金を出して答練を受けて、問題を入手する必要はありません。
私だったら
・リアリ基本編
・田端60
・合格ゾーンステップアップ
・オートマ論点データベース
・オートマ記述式問題集
・リアリ応用編
の順で優先度を決めて回します。これを消化するだけで次の試験が来ることは間違いありません。
答練や添削は、司法試験のような論述式試験では有効だと思いますが、司法書士試験の記述は解答が一通りに定まるため、自分で答え合わせができるため、必要性は低いでしょう。
私の個別指導みたいな、マンツーマンで記述問題を一緒に検討して弱点を発見改善するようなレッスンは価値があると思いますが。
まとめ
記述式の配点があがったので、400時間とか800時間で合格する人が増えてきています。
記述がヒットすれば、一気に得点が稼げるから、マグレで合格しやすくなるでしょう。
それでもいいかもしれないですが、確実合格のためには記述ばかり対策せずに、択一をしっかり固めましょう。
確実合格のために最低限必要な勉強時間は1000時間だと私は考えています。(勉強が得意な人で)
頑張ってください。