R6司法書士試験に独学1200時間合格したもなちゃんです。他の記事で「でるトコだけで合格できるか」を考察しましたが、その続編で、オートマでるトコとオートマ過去問のどちらを使うべきかについて考えます。

結論は、まずはでるトコを完成させることを目標にし、余裕があればオートマも併用していくのが良い。
ただし、私はどちらも使いましたが、順序が特殊でしたので後半で解説します。
そもそもでるトコとオートマ過去問はどう違う?
「でるトコ」は、オートマテキストの復習用教材として位置付けられています。
そのため、あの独特なオートマテキストの掲載順序と同じ順序で問題が並べられています。
それを利用した学習方法を開発し、私は独学一発合格ができました。
それに対して、オートマ過去問はテキストと掲載順序が違います。
元々は過去問が先に発売され、掲載順序が違う問題を解決するためにでるトコが生まれたそうです。
でるトコの特徴は、
・問題文が短いからサクサク回しやすい
・未出知識も網羅されている
オートマ過去問の特徴は、
・本試験過去問なので、問題文が長い
・重要論点が手をかえ品をかえ問題化されている
両方に共通する特徴は、
・似て非なる知識を比較して覚えやすいように問題が配置されている
・5択問題ではなく、一問一答方式で、肢ごとに考えて解ける
短期合格を目指す人は年度別や5択式の過去問は推奨しません。重複があって非効率だったり、組み合わせで解けてしまうので勉強になりません。また、二度と出ないような細かい論点までたくさん収録されている場合もあり、長期合格(あるいは不合格)まっしぐらです。偉い講師がどういうかは知りませんが、1200時間で合格した私はそう思っています。
というわけで、使用するべき択一問題集はでるトコかオートマ過去問のみです。それ以外はナンセンス。
TACのサイトから買えばでるトコもオートマ過去問も10%オフで買えます。
「網羅性」の観点から
オートマ過去問の方が、厳選過去問集ではあるものの、でるトコより「問題数」は多いです。じゃあ、網羅性が高いかというとそうでもないです。
問題数が多くなっているのは、本試験自体が偏りがあり、頻出論点が細かく問われているため。その部分はオートマ過去問でも多数収録されています。
しかし、試験委員もマンネリ化を避けるため、どんどん細かい基礎から離れた論点まで出してしまっています。そうした論点は再度出題される可能性は低いです。
逆にまだ出題が手薄な分野というのもたくさんあります。
厳選されているはずのオートマ過去問ですら、解いていると細かすぎるように感じました。そのため、私は1周だけして、でるトコを回すことに決めました。
ちなみに、司法書士試験のこれまでの全部の過去問知識を使っても、令和6年の択一では70問中46問しか解けなかったと言います。過去問を多く解くほど効率が悪いんです。また、私の個別指導で教えているような応用力をつけないといけないんです。46問取れるだけでは基準点付近まではいきますが合格はできません。
でるトコは問題数が少ないですが、未出論点まで掲載していることから、網羅性という観点では必ずしも不十分ではありません。
でるとこの知識でR6本試験では39問取れました。全過去問を暗記しても46問なので、7問分しか差がなく、でるトコのコスパが良すぎる結果に。
基礎を満遍なくやるためには最適な問題集です。その過程で応用力が身につけられれば、私のように70問中62問とって上位合格もできます。
ただし、でるトコを正しく使わないと効果は半減します。でるトコの1つの問題から、派生して5個10個と新たな問題を自分で考えていくような深い使い方をする必要があります。
私の使い方
私はでるトコだけ使ったわけではなく、オートマ過去問も少しだけ使いました。
目的は
・テキストで説明されていた内容を、別の角度の書き方や視点で理解したかったからです。
解説はテキストと同じ山本尊師のものですが、テキストと違う切り口からの補足がオートマ過去問にはあります。
単調に繰り返しテキストを読んでいるだけではわからない色々な角度からの見方が、問題の形で身につけられます。
※その意味で「テキストでアウトプット」はお勧めしません。物事は色々な角度から見て初めて理解できるものです。
裏を返せば、多角的な理解のためにオートマ過去問を使用しただけなので、本格的な暗記のステップに進むと使わなくて良くなります。
私の学習順序は、
①オートマテキスト1周
②でるトコ1周
(YouTubeでも説明した通り、テキストとでるトコを同時に開いて、でるトコにテキストの情報を書き加えて一元化教材を作る作業です。)

③オートマ過去問1周
④でるトコを繰り返す
でるトコ周回の前に、オートマ過去問をやっていろんな切り口の出題をしることで、でるトコの問題をより深く解くことができたと思います。最初からでるトコだけやっても理解できる人はいるとは思いますが、私はオートマ過去問を少なくとも1周やることをお勧めします。
でるトコが完璧になったら再びオートマ過去問へ
でるトコが完璧になる、というのは、だいたい30時間(私の場合1日4時間×1週間程度)で、でるトコ全冊が1周できるレベルです。30時間で1冊ではなく、4冊全部です。もちろんミスは数問程度で。さらに、右ページの解説も見なくても左ページの問題を読むだけで思い出せるようになるレベル。
ここまでやっている人はほとんどいません。ここまでやらずに中途半端にでるトコに取り組んで、結果成績が伸びず、「でるトコだけで合格は無理」と騒いでいる連中が大半です。
まあ、ここまで来たら合格レベルだと思います(私も直前の6月下旬はこのレベルにきました)。それでも何かの不運で落ちてしまったら、翌年はオートマ過去問も含めて回そうと思っていました。結果的には初回受験で合格できたので杞憂でした。
「オートマプレミア」も2年目以降は選択肢に入ると思います。
プレミアのようにマルバツではなく「オープンクエスチョン」形式で知識を整理していくのはかなり脳に負荷がかかっていいと思います。
しかし、繰り返しますがそれはでるトコを完璧にしてからにしてください。全部の知識をオープンクエスチョンで覚えるのは無駄が多いです。マルバツを理由付きで覚えるだけで十分な知識の方が多いです。
でるトコは確かにマルバツを答えるだけの問題集ですが、使い方次第ではオープンクエスチョンの素材になります。
左ページだけ見て右ページを思い出したり、論点を列挙して書き込んだり。
問題を解く上で、答えだけではなくその理由や趣旨を思い出すことも大事です。
まとめ
繰り返し強調したいですが、何を解くかではなく、どう解くかの方が大事です。取り組み方が悪ければ何を使っても短期合格はできません。やり方は個別指導で教えます。受講生を見ていると、線を引く場所やメモの内容など、私と全く違います。適切な書き込みが合否を分けます。